11月号 仲間から学ぶこと
青年会 長南舜
教会で「青年」というと、一般的には18歳から35歳までの年齢層を指すそうです。学生、新社会人、社会人(若手)などから構成される「青年」は、教会の外で絶えず競争や変化にさらされているからこそ、それぞれが自分の中に核となるものを求めている世代でもあると思っています。
では、まだ成長の途中にいる「青年」が、それでも「核となるもの」を見つけ育んでいくにはどうすれば良いのでしょうか。この問いを考えてみたとき、私は、大学のゼミで少年院見学に行った際に、少年院の院長先生が話していたことを思い出しました。
ある学生が、「少年たちの更生にとって、何が最も重要だと思いますか」と質問したときのことです。これに対して院長先生は、「少年自身が、良い集団から良い気づきを得ることだと思います」と答えました。続けて、「大人が少年たちに対して『ああしろ』『こうしろ』と指図したところで、本当の変化は期待できないと思います。たとえ一時的に更生したように見えたとしても、彼らが少年院にいる時間は限られており、少年院を出て適切な大人の目が届かなくなれば、再び元に戻ってしまうかもしれません」「少年院を出た後も続く本当の変化というものは、少年たちが自分自身で気づくことからしか生まれないのではないでしょうか。そして、若い彼らは、自分と同年代の仲間の中に、自分を根本的に変えてしまうような気づきを得ることが多いように感じています」という趣旨の話をしていたと思います。
ともにいる仲間から、それまでの自分を根本的に変えてしまうような気づきを得るということ。同年代の仲間とともに活動することで互いに影響を与え合い、一人でいるよりも大きな教育効果が得られることを、教育心理学では「ピア効果」と呼ぶそうです(※ピア(peer)とは、「仲間、同世代」の意味)。「青年」である私たち一人ひとりは未熟かもしれませんが、それぞれが教会の外で得た多様な経験を持ちよることで豊かな気づきを得て、神さまとのつながりを深く、新たにしていけたらと思います。そのためにも、私たちがより良い集団となれるよう、祈りたいと思います。