2月号 希望をもって実り多い年に

典礼委員長 塩谷隆

新年が明けてすでに一ヶ月余りが過ぎましたが、2025年はどんな年なのか典礼委員会的目線も含めて見渡してみたところ、今年はいくつかの記念のある年、また多くの節目となる年廻りであることが分かってきました。

まず第一にカトリック的に重要なこととして、今年は25年に一度定められている「聖年」の年にあたっていること。25年前の2000年はグレートジュビリーの「大聖年」、2015年から16年にかけては「いつくしみの特別聖年」がありました。 

今年の「聖年」のテーマは「希望の巡礼者」です。この「希望の年」については「鐘」1月号の巻頭言でウィル神父さまが教皇さまのメッセージを分かりやすく解説されています。

東京教区では「聖年」の年に罪(罰)が免除される「免償」の恵みを得るための巡礼教会を設定しています。「聖年の祈り」「聖年の賛歌(希望の巡礼者)」なども用意されています。この2025年の「聖年」に私たちは「希望を生み出す巡礼者」となり共に歩むように招かれています。

詳しくはカトリック中央協議会「聖年」特集ページ

また今年は松原教会創立(献堂)60周年にあたっています。6月1日には記念ミサが行われ、ミサ中にアンドレア・レンボ補佐司教による堅信式があり祝賀パーティなども予定されています。しかし単にお祝いをするだけではなく、この60周年にはさまざまな意義が込められているように思います。

60年前の創立当時に思いを馳せ、立ち上げの中心となって苦労された淳心会の司祭や当時の信徒の皆さん、そこから現在へと引き継いでくださった歴代の司祭はじめ多くの先人の方々への敬意と感謝も忘れてはならないでしょう。教会としてあるいは個人としても、この記念の年に一度立ち止まって今を見つめ、原点に立ち返ったりしながら「希望」のある将来・未来につなげて行く、そんなことを意識し考える良い機会になればと思います。

私たちは偶然松原教会に居合わせ60周年に立ち会っているのではなく、主のお導きによってこの時この場所に集められているように思います。この記念の年に私たちは松原教会共同体の絆をよりいっそう強め、教会内外にその信徒使徒職としての使命を果たすよう求められているのではないでしょうか。

そして今年は宣教司牧評議会役員の交代の年で、松原教会の新たな船出の年でもあります。コロナ禍を経てさまざまな課題も山積しているようです。教会活動への人員不足も深刻です。

また最近のミサでは外国籍の信者さんも多く見受けられ、司祭の説教も英語でも行われるようになりました。これも時代が求める多様性への対応といえるでしょう。

さらに近年デジタル推進委員会が発足し、ミサはYou Tubeで配信され連絡手段にはグループLINEが導入されたりとITの活用も日々アップデートされています。

一般社会では今年は終戦(原爆投下)から80年、日航ジャンボ機墜落事故から40年、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件から30年… と多くの節目の年にあたっています。これら過去の出来事に思いを馳せ、風化させず教訓を学んで明日へとつなげるのも節目の年の役割でしょうか。

そしてまさに蛇足ですが今年は巳年です。脱皮し変化成長を期待する年だそうです。

そんなことを思い巡らしながらこの一年、典礼委員会では他の部署や地区の皆さんの協力を仰ぎながら、さまざまな変化や動向に順応しつつ、共同体が良き「希望の巡礼者」となって主と共に歩み、実り多い年となりますよう、その典礼的役割を果たして参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。