7月号 子どもを招くイエス様
教会学校代表 中野紀子
教会学校との出会いは、もう50年位前の小学校の話になります。父は、新しい出版事業を始めたものの軌道に乗らず働いても収入が無く、母が都心のホテルのオペレーターの仕事に就き、家計を支えていました。2歳年上の兄は病弱でいつも病院の入退院を繰り返していましたので、私が学校から帰ると迎えてくれるのは一匹の秋田犬でした。そして通っていた小学校はキリスト教系の学校でしたが、共稼ぎの家庭に偏見をもつ傾向があって、通いにくさを感じることは少なくありませんでした。そんな日々が続いて私は子ども心にいつしか自分の居場所、ホッとできる空間を求めていたように思います。
学校の規定で日曜日には教会学校に行くことが推奨されていました。私も自宅から一人で通える範囲の教会を探して見つけたのは、住宅街の一角にあって100名ほど聖堂に入れる小さな教会でしたが、日曜日は子どもたちや集う人たちの笑顔を賑やか声が響いていました。私は、初めて訪れたこの教会に何の違和感もなく自分の居場所を見つけたように思いました。それから何年か通ううちにこの笑顔の源は、聖書、祈り、賛美を通してイエス様が一番喜びとされることを常に神の導きとして信頼し願っている雰囲気であると感じるようになり、今考えるとこれが教会に招かれるということだったのかもしれません。
昨年より、20年振りに教会学校の手伝いをしております。この数年のコロナ禍により教会学校も大きな影響をうけました。以前は信者の子どもと近所に住む子どもたちが気軽に集い交流していましたが、コロナ禍後、世間は落ち着いても抵抗力の弱い子どもには不安があります。信者の子どもたちは、徐々に来てくれますが、近所の子どもたちにとってはいつしか遠い場所になっていました。また、教会に来ても部屋にこもる傾向になってしまい、このままで良いのだろうかと神さまにといかける日々となりました。
今年度に入ってガル神父様が、この夏のキャンプの費用の一部を自分たちで作ろうと菜園作りを提案してくださいました。子どもたちでトマト2種類、パプリカ2種類、ナス2種類、しその葉の七つの野菜を育てて、聖書にでてくる七つの愛を野菜の名前に追加して神父様に祝福していただき皆様に配り、寄付金をいただいています。ようやく外で観察し、栽培する子どもたちの声が響くと近所の子どもたちもその声にひかれ、覗きに来てくれるようになりました。教会での子どもたちの活動は小さいものですが、皆様に温かく支えられ、神様の導きによって確実に未来の教会への大きな力となっていくと思います。そしてそのほんの一部分ですが、手伝いができることに感謝しています。
今年の夏のキャンプは山中湖へ行きます。子どもたちが、都会の喧騒を離れ湖畔のほとりで恵み豊かな自然の美しさ、すばらしさを体験してイエス様がいつも大きな手を広げて私たちを招いてくださっている喜びを感じてくれることを願っています。