5月号 春ですよ

聖マリア修道女会 シスター高木好江

教皇様は、この地球を”私たちの“共通の家”と表現なさいます。この家では今、いくつもの国、地域の間で戦いが続き、更に洪水や火災等、気候変動による自然災害が… “自然”と言えますか。わたしたち人類の生活の仕方が原因の一部になっていることも否めない状況です。

日本でも1月1日の能登半島で地震が発生し、4か月を経た今も、多くの人々が爪痕の渦中にあります。これは、”私たちの共通の家“である、地域、国の問題です。この苦難の中でも“私たちの共通の家”では、季節が巡り、草木が生え出、茂り、花を咲かせ、いのちの息吹が、”春ですよ“と言わんばかりに歌いかけます。疲れて、とがった心と体に、寂しさ、悲しみに暮れる人々に、人の温かさを、いのちのよみがえり、主のよみがえり(復活)のよろこびを。

わたしはこの復活節の喜びを、カトリック松原教会の教会共同体を通して体験させていただいております。

イエスは言われた。「子どもたちを来させなさい。わたしのところに来るのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである。」(マタイ19:14)

 松原教会では、日曜日に子どもたちのために教会学校を開催しています。子どもたちの中には、時々、近隣の教会のお子さんもいます。所属教会に子どもたちの集まりが行われていないからです。分け隔てなく、みんな楽しく過ごします。コロナ禍にはOn-lineも行いました。神父様方はじめ、保護者の方々、教会の皆さんの熱意が伝わってきます。子どもたちは、若いリーダーや青年会の方々とご一緒できることをとても喜んでいます。この点が教会学校に参加する一番の楽しみになっています。夏のキャンプ、オラトリオの準備、信徒の皆さんのご指導、ご協力があって初めて行うことができます。

 3年余のコロナ禍での制限から自由になりましたが、その影響から抜け出せない部分があります。そんな中、4月7日、いつくしみの主日(白衣の主日)に3名の子どもたちが初聖体拝領のお恵みに与りました。昨年の6月から長く、ゆっくりでしたがとても大切な時を過ごしました。はじめは人数が多くないので、松原教会共同体のメンバーとして意識がもてることを願って、教会学校の子どもたち全員一緒に過ごす時間を取りました。週に一度だけ会えるお友だちです。学校のお友だちとも近所のお友だちとも違う教会のお友だちができると、イエス様のお弟子さんたちのように、集いの中心にイエス様がいらっしゃることを、いつか分かる体験の一助になったらと願いました。

 オラトリオの準備もとても良い体験でした。普段はほとんどお話しする機会のない大人の方々に、専門のご指導をいただき、中学生や高校生とも一緒に典礼を担っていることができたことは、教会共同体のメンバーとしてかけがえのない体験でした。

教会学校のお友だちができ、教会共同体のメンバーとしての自覚をもち、神様の大切な教えを「わたしたちの初聖体」というテキストを使ってお勉強しました。特にごミサのこと、ご聖体のこと、とても楽しみながら学びました。そして、ご聖体をいただく前に「ゆるしの秘跡」を受けました。子どもたちは一人ひとりとても真面目に自分自身に向き合いました。当日のごミサの準備も子どもたちが担当となった朗読、共同祈願も何度も練習をして立派に役目を果たすことができました。

 初聖体を拝領して、「楽しかった。」「うれしかった。」「頑張りました。」の声から、教会共同体が、次の世代へとつながっていくことに感謝します。教会共同体が助け合い、支え合って、みんなで成長し、“私たちの共通の家”が平和に近づけますように。