5月号 聖母月

聖マリア修道女会 Sr.田村和子

あたたかい陽ざしを受けて、一斉に花が咲き、私たちにいのちの輝きを伝える5月、聖母月です。マリア様をいろいろなところで感じる月でもあります。皆さんにとって、マリア様はどんな方ですか。

聖マリア会の文書を通して味わったマリア様の姿を分かち合いたいと思います。皆さんの近くにマリア様がきっといらっしゃいます。

❊喜び

「喜びなさい。恵みに満ちた方、主はあなたと共におられます」ルカ1:28

「喜びなさい」 これは新しい契約が始められる最初の言葉です。神様はマリア様を通して私たちを喜びに導きます。「神が私たちと共にいる」という神様からの贈り物は、マリア様の「はい」によってこの世界に実現しました。マリア様は、その喜びを 自分自身のためにしまっておくのではなく、人々と共に分かち合います。そうすることによって、神さまの望みが実現され、私たちが、救いへと導かれることを彼女は生涯を通して、私たちに示してくださいました。聖母は真の喜びを受け入れ、生き、拡げ、伝えるようにと私たちに教えてくださっているのです。

❊親切なもてなし

 「そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った」ルカ1:39

マリア様は、自分自身が神様によって訪問されたので、エリザベトを訪問したいと思いました。エリザベトを訪問しましたが、マリア様自身も訪問されているのです。二人の間には他者が自分の心に宿るというコミットメント、温かいもてなしの心があるのです。この女性たちの姿から、私たちは配慮と尊敬と愛をもって世界を見ること、対話を生きることを教えられます。神様に自分自身を開く聖母のように、他者と出会い、他者も神様のメッセージの運び手であることを深く知ることができますように。

❊聞く

「聞いたものは皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」ルカ2:18-19

「心に納め、思い巡らす」これは、マリア様

の聞く態度です。聞くことは、思い出し、省察し、結びつけ、浸透し、理解し続けることです。

「納め、思い巡らす」ことは、ひとつにしていくことを象徴しています。象徴するという言葉は、また、「周りのものをすべて見る」という意味もあります。すべてが一つに導かれる。

このようなマリア様の態度は全て、イエス様の受難と復活への道に導かれていると感じます。彼女の祈りの中には、恐れや叫びがあったでしょう。しかし、彼女は、少しずつお告げの言葉を悟り、人々と共に生き、神様への信頼を深めていったのだと思います。

5月、困難な時こそマリア様に私たちの祈りを聞いていただきましょう。神様のみ旨を悟り、喜んで生きていくことができますように。