4月号 「あなたが死んだ後に残したいものは何?」

助任司祭 ガル・ブブン

司祭叙階の恵みをいただいてから、一番初めに一緒に住んでいたある神父に、私はこう問いかけられました―「君は死んだら、家族、修道会、友人や自分を知っている人たちに一番残したいものは何?」。急なその問いに戸惑ってしまった私は「えっ、何でしょうね…。神父さんは?」と聞き返してしまったのです。その神父の答えは、「僕だったら、一つだけだよ。みんなにビューティフル・メモリーを残して死にたいな」。

この度私は有意義な休暇を過ごしてきました。以前の休暇と違って、今回は「ビューティフル・メモリー」を意識して、家族や友人などと大切な時間を過ごしてきました。神に感謝!休暇中には楽しい事はもちろんですが、家族の中で問題が起こったり、淳心会の仲間同士や信者に対しても勘違いもあったり、病気にもなってしまいました。でも、「ビューティフル・メモリー」を意識していたおかげで、相手を許しがたいという自分の心・感情をコントロールする力が強くなってきたというよりも、むしろ相手の心をもっともっと大切にしたい、自分から心を開いて許したいという気持ちが強くなったのではないかという気がしています。

おそらくイエスも「ビューティフル・メモリー」のようなものを望んでおられたのではないでしょうか。最後の晩餐で弟子たちに杯を手渡すとき、「これを私の記念として行いなさい」と言われました。だから、今日でもそのイエスの意向を実行する私たちは、ミサに与るたびに、イエスが私たちの救いのための偉大な業を行ってくださったことを思い出し、感謝し、神からの力と希望をいただき、人生の旅を続けるのです。つまり、ミサはイエスについての「ビューティフル・メモリー」を思い出す場であり、イエスからの力を得られる場なのです。

皆さん、今年の復活祭にあたり、私たちのための救いの業を神に感謝しながら、私たちも「ビューティフル・メモリー」を作って残していったら、どんな良いことでしょうね!