未来プロジェクト   塩谷 隆

 「命にかかわる危険な暑さ」「これまでに経験したことのないような大雨」と気象庁が脅しともいえる注意喚起を促す中、7月の西日本豪雨、猛暑による熱中症、9月上旬の強風台風21号、最大震度7の北海道地震…と多くの自然災害をもたらし、「平成最後の夏」は終わった。8月のある日ラジオを聴いていると「平成最後の夏」というテーマで特集番組をやっていた。クリスチャンが元号にこだわるのもなんだが、私も「平成最後の夏」に何か美しい思い出でも残さないといけないのかなという思いに駆られた。人々は「平成最後」に特別な意味を見出そうとしている。それは「平成最後」を時代の節目として捉え、次の時代を迎えるための準備、あるいはけじめのように思える。
54年前の1964年に東京オリンピックが開催されたが、私の世代はそのオリンピックを憶えている最後の世代だ。甲州街道がマラソンコースで、小学生だった私は、沿道で大人たちに交じり、もみくちゃにされながら、配られた小旗をちぎれんばかりに振り、大声をあげて応援したのをはっきりと憶えている。そして歓喜あふれる大人たちの楽しそうな笑顔を今も忘れない。戦後からの復興を象徴し、その後の日本の発展を予感させる、まさに希望に満ちたオリンピックだった。この時の体験や思い出は私にとっては財産といえるもので、深く心に刻まれている。2020年はどんな東京オリンピックになるのだろうか。新元号でのオリンピックとなるので、1964年(昭和39年)のオリンピックは「昭和の東京オリンピック」と将来呼ばれることであろう。
「未来プロジェクトチーム」が発足して2年が過ぎようとしている。名前からすると壮大なプロジェクトだが、その中心となる取り組みは建物の改修工事であった。その一つである聖堂の耐震補強を中心とした改修工事は、平成最後の夏の終わりとともに無事完了した。この新たになった「マリアの汚れなきみ心」聖堂が、今後将来に向け、松原教会の中心として多くの実りをもたらし、またこの聖堂に集い、ここから派遣される我々信徒が、福音に従い「神のいつくしみ」を隣人にまた社会に対し真摯に実践していけるよう祈りたいと思います。マ
ザーテレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心だ」と言いました。すると無関心は怠りの罪となるのでしょうか。共同回心式で司祭が唱える文言が、身につまされ私の心に響く。「自分の重荷の不平を言い、隣人の重荷に気を配らない私たちを、主よ、あわれみたまえ」「家庭に、社会に、また世界に、平和をもたらすことができない私たちを、主よ、あわれみたまえ」… 将来これらの祈りを唱える必要のない世の中が来ることを切に望みたい。
ところで、私にとっての「平成最後の夏」の思い出は「聖堂改修工事」となるのだろうか。甘く美しい思い出とはいえないが…